
わたしたちのトレランコーチ ヒロがモンブランへ旅立った。モンブランを100マイル、昼夜問わず走り抜けるトレランレースに出場するためだ。
仲間の一人が声をかけて、夜の成田空港に集合した。
華奢な女の子がチェックインカウンターに居た。
山で会うパワフルなヒロとは全く違うたたずまい。
ごく、普通の、女の子だ。あの後姿を見て、誰が。
「彼女はこれから、モンブランを100マイル走る」と想像できるのだろう。
仲間達のメッセージを書いた日本国旗をずっと肩に背負って、荷物検査場へと消えていくヒロを見送った。ヒロが搭乗した飛行機が離陸して、夜の空に消えるまで、仲間5人と成田空港の屋上で見送った。
私は、こんな熱いことが大嫌いだったのに。
今回は、ヒロが旅立つところに、どうしても、立ち会いたかった。
ヒロという人に出会ったから、トレランが好きになった。
一度出場したレースで、ヒロの声にどれだけ励まされたか。
「山を走る」という真の楽しさを教えてもらえた。
本物のアスリートにかける言葉が見つからず
成田まで出かけたのに、結局、ヒロの力になれたのか分からないけれど。
旅立っていく、一人のアスリートの背中は
不安と自信と、普通の女の子の気持ちが混じった
すっごくカッコいい背中だった。
:)