「出産ストーリーにマニュアルなんてない。」
それは本当だった。
マニュアルにできない、自分だけの経験をここに残しておこうと思う。
●出産10日前
お腹の強い張りが定期的に起こる・・・「前駆陣痛」?
●出産3日前
焼肉を食べると陣痛が起こる「焼肉ジンクス」。試してみようと近所の焼肉屋さんへ。お腹いっぱい食べたのに、陣痛は来ず。
●出産2日前
朝、お手洗いにゆくと「おしるし」が!だがしかし、陣痛は来ず。家でのんびりしているのも飽きて近所を1時間お散歩。ただ、お腹の張りがいつもより激しかった気がします。まだ咲いていない桜並木沿いを散歩し、「産まれるころには咲いているのかなぁ」としんみり思う。
●出産前日
検診日。おしるしが来たことを告げるも、子宮口の開きは2㎝未満のため「まだまだ時間はかかる」と告げられる。体重の増加が激しく、私の骨盤よりも赤ちゃんの頭が大きい可能性を懸念されレントゲン撮影をすることに。結果、自然分娩OKを主治医から頂くも、「回旋異常の可能性」を告げられ不安はつのる。
※回旋異常:逆子ではなく頭位だが、赤ちゃんの顔の向きが逆(ママのお腹側)を向いていて、出産時に回りながら出てくることができない可能性が高く、緊急帝王切開になることがある(らしい)
●出産当日
・午前2時
腰をつねられる程度の痛みを感じる、定期的に波のように押し寄せるので、ためしに「陣痛アプリ」で痛みの間隔を図ってみる。2~3分置きに30秒程度痛みが継続。「陣痛の始まりは30分間隔程度」と聞いていたので、こんなに短い感覚なら、陣痛の始まりではないと思なと妙に安心しつつ残念な気持ちになる。それでも「陣痛?」という思いが消えないため寝つけず、ベランダで夜の東京の景色を朝までぼんや~り堪能する。(もしかしたら前駆陣痛だったのかも)
・午前7時
再びうっすらと出血。軽い生理痛程度の痛みを感じるも、痛みの間隔はやはり2~3分間隔でお腹ではなく腰だけが痛い。「マニュアル通り」ではないので、朝ごはんを食べてから昼寝。念のためマタニティヨガの予約をキャンセルする。
・午後1時
カフェにお昼を食べに行く。ずっと地味に腰の痛みが続いていて食欲がわかない。
・午後3時
やっぱり、なにかおかしい!と思い、病院に電話をする。内診しないとわからないということで病院へ行くことに。念のため入院セットを持参し、あらかじめ手配した陣痛タクシーで病院へ向かう。
・午後4時
病院で内診。子宮口2㎝。初産であるのでまだまだ時間かかるが、念のため1日だけ入院と言われる。入院手続きをし、陣痛室へ通される。ここから2時間は本を読んだり、メールをだしたり、かなり余裕。「今日産まれることはないなー」という余裕だったのか?母に入院したことを連絡すると、病院へ来てくれることに。
・午後6時半
母、病院到着。安心したのか、急に腰の痛さが増す。お昼頃の痛みとはレベルが違う。。完全に、これ、陣痛だ!NSTのグラフも大きな山型になりはじめる。
・午後7時
破水!ますます痛みが増す。子宮口5㎝。NSTの値は最大値を振り切る。信じられない痛み!骨盤を内側からぐぐぐぐぐーっと広げられ、仙骨を割られるような感覚。陣痛の波が押し寄せる時は、私の呼吸に合わせて、母にテニスボールで仙骨を押してもらうとなんとか正気を保てる。そして、痛み逃しだったのか、ベットの手すりをバンバンたたいて「う"~~!」とうなっていたらしい。まさに陣痛で苦しむ妊婦の姿。数時間前、余裕しゃくしゃくだった自分が嘘のよう。陣痛くらい一人で乗り切れる!と思っていたけど、母が来てくれて本当によかった。誰かがいなかったら乗り切れなかった気がする。
・午後9時
定期的に押し寄せる痛みをこらえるのに疲れたのか、朦朧としてくる。痛みの間隔はずっと2分おき。「麻酔打って!」「帝王切開して!」と無理難題を助産師さんに乞うも一笑される。
・午後9時45分
回旋異常だったわが子、自身でまわってくれて正しい位置に。同時に子宮口が約10cmとなる。分娩室へ。一刻も早く産みたかったので、小走りで陣痛室へ向かおうとして助産師さんに怒られる。。。
分娩台にのると酸素マスクがつけられる。(あれ??)
助産師さんが教えてくれるタイミングに合わせていきむ。
医師がいきむ方法を教えてくれる。
・・・わが子は、でてこない。
医師の「吸引、しましょうか~」という声が聞こえた。「吸引は嫌~っ!」と思ったとたん、下腹がぐるぐる動く。なんと、私はいきまないのに、わが子が自分で出てこようとしたのだ!あわてた医師は吸引準備をやめて
「お母さん、もういちどいきみましょう!」
「んーーーーーーーーーーーーーー!」
☆午後10時9分
「ふぎゃー!」
たった2回のいきみで、完全な自然分娩で産まれてくれたわが子。
感動で泣くのかなぁ、私・・・と思っていたけど、産まれた瞬間に感じたのは「やっと終わった~!」という安堵感。そして、カンガルーケアとして、胸にわが子を乗せられ、思わずでた言葉は
「重っ・・・!なにこれ、重っ!」
わが子に会った瞬間、感動して涙ぐむと聞いてたけど、私の場合は、現実的な気持ちの去来と思わずでた現実的な言葉だった。
このあと、後処理いろいろが行われたが、まったく痛みを感じない。痛みになれてしまったからなのか、高揚していて痛みがわからないのか。会陰切開されたことも気が付かず、その縫合時も痛みをまったく感じない。これはこれでありがたい。
・午後11時
体をきれいにしてもらったわが子と再対面。はじめてのおっぱいを吸わせてみる。これも感動すると思ったのに、感動よりも、どこか気恥ずかしさを感じる。と、同時に母性がうっすらと湧き出てくるのを感じる。
その後、助産師さんが体を拭いてくださり、パジャマに着替えさせてくれる。間違いなく「産後躁」状態だったのか、助産師さんにやたらテンション高く話しかけるわたし。(迷惑だったろうな・・・)。その後、歩いてこの後5日間過ごすベットへ向かう。
体はへとへとに疲れているのに、寝付けない。ああ、私、感動しているんだなぁ・・・子供を産む経験はきっとしないのだろうと思っていたのに、私、子供を産んだんだ・・・・。自分が行ったことなのに、自分事に思えない「ふわふわした感覚」。子宮の痛みはなく、なぜか全身筋肉痛。そして、からっぽになったお腹が不思議でしかたない。ようやく「子供を持てて幸せな感覚」が体の底からあふれてくる。いろんな気持ちが行きかう、体験したことのない不思議な夜だった。窓の外が明るくなってきたころにようやく眠りについた。
<まとめ>
出産ストーリーはひとそれぞれ。
どんな出産兆候から始まるのか、どれだけ分娩時間がかかるのか、それは誰にも予測がつかない。私自身、こんな始まりで、こんな結果になるとは思わなかった。ただ、先輩ママたちがいう「出産の痛み、すぐ忘れるよ!」これだけはマニュアル通り。産んですぐ、まだ分娩台の上にいるとき「この程度の苦しみなら、もう一人いけるなぁ」と思った自分がいて驚いたほどだ。
<私と息子の出産>
・陣痛はお腹ではなく、腰だけが痛かった
・陣痛の間隔は最初から2~3分おき
・前駆陣痛→おしるし→陣痛→破水で出産
・回旋異常が自然と治った(わが子の頑張り!)
・出産時間は、本当の陣痛から7時間半
・2回のいきみで息子誕生
そしてなによりも大切だったな、と思ったのは。
自分が子供を産む、ではなく、お腹の子供と一緒に「出産を乗り越える」と思っていたこと。陣痛の間もお腹に話しかけ、「産まれるときはくるっと回ってこようね~」と言い続けたこと。自分ひとりじゃなくて、子供と一緒にがんばる!と思えたことで、42歳高齢出産でも超安産になったのだと思う。
産まれてきてありがとねー。
そして、陣痛は、母と息子と3人で乗り越えた!と思うとなんとも感慨深い。
<追記>
出産3日後、わが子を取り上げてくれた助産師さんがお見舞いにきてくれた。その時に教えてくれた「私が知らなかった出産ストーリー」を聞いてびっくり!なんと、へその緒がわが子の肩に絡まってしまい、分娩室に入った時にはわが子の心拍が下がり危険な状態だったのだそう。。。だから、私は酸素マスクをつけられ、たった1回いきんだだけで吸引されそうになったのだった。そんなことを微塵も感じさせず、余裕の表情で励まし続けてくれた助産師さんのプロ魂に感動。そんな助産師さん、まだ20代の若い方だった。生命が産まれる瞬間に立ち会う仕事をしていると、あれほど肝が据わるのだろうか?助産師って素晴らしい仕事だな、と思った。
:)

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